2007年6月1日 (金)

函に入った本の扱い

近八書房

日頃店先で、本を函から出そうとして四苦八苦、大事な函を壊しやしないかと、端から見ていても冷や冷やするお客様を、お見かけする事があります。

本好きの皆さんにも、多分そんなご経験をなさった事が、一度ならずおありだと思います。

稀に湿気ってしまって本の中身が膨らんでいたり、水を被って表紙と函がくっついていたりで、函から本が出なくなってしまったものもあるにはありますが、大抵の場合は単に函から本を取り出す方法が間違っているだけなのです。

函の寸法が本に対して余裕があれば、どうやってでも普通に本は取り出せますが、中には確かに妙に函がきついものがあるのも事実です。

この様な本に行き当たってしまった場合、多くの方々は本を函から取り出すのに苦労し、挙げ句の果てに函を壊してしまったりします。

その様な不幸に見舞われない為、またコンディションの好い状態で古本屋に本が還流する為にも(笑)、今日はここに、きつめの函からもスムーズに本を取り出すコツを、書き連ねておきましょう。

多くの方々は、本を函から取り出す際に、親指と中指を函の側面に差し込みながら、本の背を摘みつつ引っ張り出そうと、試みておられるのだろうと思います。

今これを見ているあなたも、多分そうなのではないでしょうか。

この方法でも確かに、函と本との隙間に余裕のあるものであれば、ごく普通に取り出す事が可能でしょう。

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ところが、妙にキッチリと出来上がってしまった不幸な関係の函と本の場合、この方法では函から本を取り出す事に、尋常ならざる困難を伴う様になります。

何故ならば前述の様に、親指と人差し指を函の側面に挿入する方法は、その行為により函の側面を外側に引っ張る事となり、それが函の天地を圧迫する事態となり、ただでさえ寸法に余裕のない函の、天地が本に押しつけられる事となります。

こうなると人は更に深々とその指を函に差し入れ、何とか函から本を引き抜こうとし、事態は悪化するばかり。

さて、それではこの不幸な関係の函と本をどう取り扱うのか、その方法は実に簡単なのです。

先ずは、函の側面に差し入れられた二本の指を速やかに引き抜き、本の背を下に向け、両掌で本の天地を軽く挟む様に、持ち上げてみましょう。

この時、注意しなければならないのはただ1点、本はあくまで取り落とさない程度に、軽く挟んでおく事だけなのです。

後はそのまま、本の背が下を向く様にしたまま、下に向かって数回振ってやれば、先程までの状況が嘘だったかの様に、慣性の法則に従って本は函からスルリと抜け落ちる事でしょう。

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そう、これをお読みのあなたには、もう本を取り出そうとしても出てこないあのいらいらから、ついに解放されたのです。
早速本を買いに(古本屋へ)出かけようではありませんか。

2007年3月28日 (水)

能登半島地震について

近八書房

このたびの能登半島地震で被災されました皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を祈念いたします。

また、県外各地のみなさまよりご心配および励ましのお言葉をいただき、厚くお礼申し上げます。
石川県古書籍商組合各店において大きな被害のあった店はほとんどなく、現在各店とも平常どおりに営業致しております。何卒ご休心のほどお願い申し上げます。

石川県古書籍商組合

2007年3月7日 (水)

図書館駐車場にて

柳行李

道路や駐車場で車を誘導する係員の技量には差が大きい。混雑しがちな駐車場では係員の判断と指示がものをいうのに、中にはその存在意義について問いたくなるような人もたまにいる。
金沢市内には、県立図書館のほかに玉川図書館・泉野図書館という二つの市立図書館と、三つの公立図書館がある。わたしはその三つとも利用しているが、その誘導技術と采配において、玉川図書館常駐の、やや体格のよいガラガラ声の眼鏡の係員の方(仮に以下ガラさんとする)は圧倒的にすばらしい。

といってもわたしはご本人と世間話や挨拶を交わすなど個人的に親しくしているわけではない。駐車場で長話など禁物である。ただ、ガラさんはすいているときも混んでいるときも、駐車しようとする者に的確に指示をだせるという点において高技術であり、それでわたしが一方的に好意を寄せている。

ある日、出かけたついでに図書館に本を返すために車で玉川図書館に寄ったとき、駐車場に入りかけてから前方に数台がすでに行列中であることが判明した。何もこんな日に寄らなくてもよかったと悔やみかけたとき、ガラさんが窓ごしに声をかけてきた。「返却だけですか。もしそうであれば、代わりに返却してきますからいまここで本を渡してください。」おお、なんと有難い申し出。並んだ車両みなに聞いて回っていたようである。実に助かった。このような申し出を受けたのはこれが初めてだったが、駐車場混雑緩和という観点からは、みなにとって助かること。こんなエピソードは一例にすぎない。

ガラさんはロボットやマニュアル頼りにはできないその場その場の判断ができる係員なのだ。

2007年2月19日 (月)

古本武者修行 その2

阿吽

 前回上京したのは、昨年12月。御茶ノ水駅近くの部屋も値段もこじんまりとしたホテルに2泊し、主に中央線沿線と神田界隈の古本屋巡りに走り回ったのだが、今回のメインは違うのである。

 一つは、川崎に住む長男一家と房総の鴨川温泉に泊りがけで出かけること。次いで、この秋あうん堂本舗が企画しているイベントの打合せで鎌倉に出かけること。そして、前述の都古書組合主催の古本市に参加すること3点。同行の配偶者に言わせれば、第3項はオプションでどうぞ、の位置づけなのである。

 9日から11日までの3日間、古本市への高鳴る期待とコーフンを胸に秘めつつ、東京からアククアライン経由で、鴨川・館山を回り、川崎から鎌倉へ移動し無事打合せを終え、11日の夕方にはなんとか五反田駅近くの、相変わらず部屋と値段だけはこじんまりとしたホテルにチェックインする。(この項続く)

 

2007年2月15日 (木)

古本武者修行 その1

阿吽

 あうん堂本舗は、目下冬休み中である。

 馴染みのお客さんからは、いいご身分ですな、と羨ましがられるが、いえいえ「アヒルの水掻き」ですよ、と答えている。澄ました顔で気持ちよく水面を泳ぎ回っているが、水面下の両足はフル回転しているのである。

 冬休みに入って2週間あまり、3年分(古本屋になって以来、ということ)の在庫本の整理をひとまず休み、小旅行を兼ねた東京近郊の「古本市」に出かけることにする。

 さて、地元の「古本市」しか知らないあうん堂なので、組合入会時にいただいた「全国古書組合員名簿」の巻末に掲載されている、各地の古本市案内に目を通す。

 空いている日は三連休の最終日となる月曜日だけ……と1頁ずつチェックしてゆく。午前中から市が開かれているところといえば、東京都古書組合・南部地区の市会が午前9時半開催、とある。午後はといえば、おうおう古本屋のメッカである東京古書会館で「中央市会」なる市が立つではないか。よーし、めざすは五反田! 神田! と、リズミカルな響きで声を出しながら、ネットで宿を検索するのであった。

 2月9日、暖冬で今年は一度も雪が積もらなかった早朝の街を、歩いて金沢駅に行き、越後湯沢経由でいざ東京へと向かうのであった。(この項続く)

2007年2月8日 (木)

石川の市

柳行李

今日は月に2回の交換会の日でした。石川の市会の会場は、野々市町(ののいちまち)「交遊舎」です。「交遊舎」はJR野々市駅とほとんど一体化しており、下車徒歩1分以内です。明るくさっぱりとした建物で係の方も親切です。わたしたちが使用する会議室のほかに、大ホールもあります。ここは人気の会場なのでしょう、ホールではしばしば何らかのイベントが行われており、市会の前後にその様子を垣間見ます。今日は食品販売の関係の集まりでした。労働組合の集会や、会社の研修などにも使われているようです。あるときは人形劇か何かでした。駐車場にある車種で、「今日はどんな方とご一緒かな」と考えます。

今度の5月分の会場予約をした方によると、5月はおとなりの会議室にコーラスのグループの方が入られるそうです。コーラスを聴きながらの市会。これも新鮮。出来高に良い方向で影響することを祈ります。

これをお読みになった県外の同業者の方。ご旅行の際には是非市会への参加も日程にお入れ下さい。のんびりかつ充実した雰囲気をご満喫いただけるだけでなく、都会とはまたひと味異なる楽しみな仕入れもあるかもしれませんよ。駅から近いですから便利です。

2006年11月26日 (日)

本供養顛末記

近八書房

ずいぶんと間が空いてしまいましたが、石川県古書籍商組合にて10月28・29日の両日にわたって開催した本供養についてのご報告をしたいと思います。(本供養の主旨については、先のエントリをご参照下さい。)

何分にも初めてのイベントでもあり、組合として対外的に取り組む事柄は久しぶりであったという事もあり、10月4日の古書の日に合わせて、組合サイトでの発表、記者クラブへのプレスリリースの配布によるパブリシティーなどでわずかながらも広報をしてきたのですが、いかんせんアピール不足は否めないところでもあり、日程が迫ってくるにつれいったいどれほどの本が集まるのか不安は募るばかりでした。
熱心に取材して頂き、記事を掲載して下さった新聞各社様には、心より御礼申し上げます。

そんな状態のまま本供養当日の28日を迎え、車に機材類を積んで会場となる金沢神社へと向かったのでした。

CA330058.jpgCA330056.jpg 幸いにも秋晴れの良い天気に恵まれ、集まった理事の皆さんと用意してきた誘導用の看板やノボリ旗を設置し、境内にテントを張り、テーブルを並べるとどうにか会場も格好が付き、宮司の厚見さんが張った下さった注連縄で、会場はいよいよそれらしい雰囲気になってきました。

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予定の10時になり、当番として集まってくれた皆さんは成巽閣手前の受入場所と境内の本部テントに分かれて本を待ちます。

予想に違わず最初は静かな滑り出しで、本当の持ち寄って下さる方があるのだろうかとやや懐疑的な雰囲気が漂いはじめる中、11時過ぎに始めのお一人がお車で本を持ち込んで下さいました。
お礼代わりに石川県古書店マップと古書の日の栞、金沢神社さんからご提供の参拝記念の栞の三点セットをお渡しします。
これを口切りに午後からは続々と本が持ち込まれはじめました。

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中には自転車やスクーター、手持ちで少しずつ持ち込まれる方もおられ、本当に感謝の気持ちで一杯になりました。
本部テントでは、そうやって持ち込まれた本を交換会(市場)に出品する物と、リサイクルに出す物へと仕分けていきます。

この様にして、二日間に亘って持ち込まれた本は段ボール箱にして50〜60箱分にもなったでしょうか。
初めてにしては 思いもかけぬ量になり、そのうちの約半分は交換会へ出品出来るものでした。

これらの本は二日目の29日、午後3時からお祓いして頂き、 会場から運び出されていきました。

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仕分けられた本は、11月10日に開催された石川組合秋季特選市と24日の通常市に出品され、無事第二の人生へと旅立っていきました。
会計報告やユネスコへの寄託などは追ってこのサイトにてご報告したいと思います。

今回は準備期間も短く至らぬ所も多い企画ではありましたが、皆様の温かいご支援があって何とか無事終了することが出来ました。
折角はじめることのできた「本供養」なので、来年も引き続き開催し、定着させていきたいと考えております。

皆様からのご提案やご意見などがございましたら、遠慮なくお寄せください。

2006年10月16日 (月)

秋は山登りならぬ…

柳行李

夕方用事で出かける。自動車で町を縦断したら、街なかに点在するお宮さんの、あちらこちらで秋祭りだった。露店のあかりが闇に輝く。1000円札をひらひらさせた親子連れだの、少年だのが信号をわたるのにヒマがかかっていつもは閑散とした山の上町の信号で左折が渋滞した。そういえば前々回の定休日に散歩したときには、出店準備のバンが猿丸神社に停っていたっけ。かくいう当店のすぐ近所も寺社もまた祭り中で、朝からピーヒャラ音(録音だろう)が流れている。

ああ秋なんだな、先週友人からもらった銀杏も食べてしまわなければ… と考えたとき、もうひとつ大切なことにハタと気づいた。「屋根に登らなければ」

腰に近江町市場大口水産のビニール袋を下げ、古い運動靴に履き替えた。エイと窓をのりこえる。瓦をびくびくと這い登り、峰をひとつこえる。金沢の屋根瓦は黒い。本日晴天也。見張らしも良い。しかしここから先が仕事、その先をまたおそるおそる下る。這いつくばって覗きこむのは雨どいである。

以前ここに落ち葉を溜めてひどいことになった。雨どいに雨が流れないと室内には雨漏りの現象がおきる。といを通過できない雨が脇からたまってまとまって漏れると、外の雨の音もひどくなる。

去年、大雨続きのあと買い物に出かけ、やれやれと喫茶店でいっぷく中、職人さんらがカウンターで雨漏りであちこち応援たのまれるという話をしていた。「雨漏りには、漏れを防ごうとおもうな、それよりも流す場所をつくってやれ、と言いたいね」との発言は何処ぞの大工さんか。離れたテーブル席で新聞を読みながらも、耳はその話題しかと捉えており、珈琲を片手に陰でひとり深くうなづいた。雨どい管理こそが雨漏りを防ぐ第一の要である。

しかし今日のところはまだ落ち葉には少々早かったらしい。雨どいに葉はない。なぜかペットボトルが転がっており、回収はそれのみ。資源ゴミ収集の際プラスチック容器用かごから風で吹き上がったのだろうか。

裏の窓から見える大けやき、師走前には葉がすべて落ちるだろう。屋根登りはその頃にもう一度、だ。

2006年10月7日 (土)

地図を変えました

鴨嘴


このサイトに掲載している古書店所在地図を変更しました。これまでは別ページになっていましたが、[[http://ishikawa.kosho.gr.jp/shop/|組合加盟店一覧]]のページに統合しました。

また、今回から[[http://maps.google.co.jp/|Google マップ ]]を利用するようにしました。
スライダーを使って拡大・縮小ができます。マウスのドラッグ(マウスのボタンを押したまま引っ張る)で移動できます。
マップ中の赤いマークをクリックすると店名が表示されます。その店名をクリックすると店舗情報のページにジャンプします。

周遊マップから店舗近辺の詳細図まで、好きな縮尺にしてご利用ください。

2006年10月4日 (水)

今日は古書の日、10月は古書月間 古書月間イベント「本供養」開催!

近八書房

全国の古書店約2400軒により組織される「全国古書籍商連合会」(全古書連)では、全国の古書店の活動を広く周知すべく、2003年に10月4日を「古書の日」、10月を「古書月間」と制定し、全国各地で様々のイベント活動を行っております。

私ども石川県古書籍商組合でも、「石川の古本屋HP」の開設、「石川古書店マップ」の作成、「石川の古本屋HP」のリニューアル(ブログ化)など様々な広報活動に取り組んで参りました。

本年は新しい試みとして、下記の通り「本供養」を開催致したく、ご案内申し上げます。

「本供養」の主旨は、ご家庭などでご家族や故人が愛読されていた、単に捨ててしまうには忍びない本や雑誌、教科書等の様々な書籍をお持ち寄り頂き、長年のその役割に感謝すると共に、お祓いをして供養して頂いた後、書籍のプロたる古書店の眼で選別をさせて頂き、役割を終えたものについてはリサイクルへ、まだまだ利用の出来る本や後世に伝えていくべきものについては、当組合運営の交換会にて入札やセリを行い、その本を必要とされている方々の元へとお届けして社会に還元して参ると共に、それにより得られた収益は、ユネスコに寄託し、「ユネスコ世界寺子屋運動」による、世界中の恵まれない子供達の教育・識字運動の一助にして頂ければと考えております。

幸いにも今回、金沢神社の全面的なご協力を頂き、10月28日・29日の2日間に亘り、境内をお借りする事が出来ましたので、こちらで供養させて頂く本の受け入れを致したいと思っております。
学問の神であり前田家のご先祖でもある菅原道真公の御舎利を奉斉された、本供養にふさわしい場を快くご提供頂いた金沢神社宮司、厚見正充様には改めて御礼申し上げる次第です。

ご蔵書の処理にお困りの方は、この際是非ご参加下さいます様、お待ち申し上げております。

「本供養」開催要綱
日時: 2006年10月28日(土)午前10時〜午後5時

29日(日)午前10時〜午後3時
午後3時より本供養(お祓い)
場所: 金沢神社境内 金沢市兼六町1番3号
方法: 1. ご不要となった本は金沢神社境内にて受け入れを致します。本は必ずひもで縛るか、段ボール 箱に入れた状態でお持込み下さい。また上記日時以外の金沢神社への本のお持込みは、何卒ご容赦下さい。
2. お車でのご来場は可能ですが、駐車場が少ないので、本を受け入れている間のみのご利用に限らせて頂きます。場内では係員の誘導にしたがって下さい。
3. お持ち寄り頂きました本とお引替えに、しおり(古書の日、金沢神社参拝記念)、石川古書店マップをお渡し致します。
4. 一度お持込み頂きました本は一切返却出来ませんので、内容をご確認の上、不要なものだけをお出し下さい。また、本の間に挟まった私信なども同様ですのでお出しになる前にご確認下さい。
5. 本供養は金沢神社様のご協力により、石川県古書籍商組合が執り行っております。本事業に関するお問い合せは下記の石川県古書籍商組合までお願い致します。金沢神社へのお問い合せはご容赦願います。
お問い合せ先: 石川県古書籍商組合
〒920-0854 石川県金沢市安江町1-11
近八書房内
TEL/FAX 076-231-6148
Mail chikahachi@mac.com

石川の古本屋 http://ishikawa.kosho.gr.jp/
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