まだひんやり

北陸にもようやく春です。ですが古本屋というものは、なんだかいつも「ひんやり」しているとおもいませんか。冬のあいだ家は暖房などであたためられます。寒かった外の道も、いまは春の日差しがあたためてくれます。

ところが古本屋の中に入ると、ここだけはまだまだひんやり… そんな経験ありませんか。古本屋ではなぜか暖房もあまりきかないようですね。たとえ暑い夏の盛りでも、本と棚のあいだのすきまに手をいれるとそこだけひんやりしてびっくりすることもあります。わたしの店だけでしょうか?

学生の頃、夏に制服で新刊書店へ入ってじーっと棚を眺めて考えていると、いつもお腹が痛くなったものです。冷房がとてもきつく負けてしまうのでした。冷や汗をかきながら何も買えないまま表にでることがよくありました。そとはもわっと暑くアスファルトから熱気を感じてほっとしました。でもこれは遠い町でのはなし。

石川の古本屋で冷房ガンガンにしているという店は、ちょっと今おもいつきませんよ。木造の店ならなおさら。風も通り抜けますからね。

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